Instagramで保存した何十枚もの間取り、ピンタレストの素敵なインテリア、住宅情報誌のチェックリスト。
「子ども部屋は2つ、それぞれ6畳ほしい」 「1階にファミクロとパントリー、洗面所は広めで……」
集めた希望をノートに書き出し、方眼紙にパズルのように部屋を当てはめてみるけれど、なぜか間取りがうまくまとまらない。
広げれば広げるほど予算は跳ね上がり、気づけば「何が正解なのか分からない」と頭を抱えていませんか?
実は、どれだけたくさんの間取り集を見ても理想の住まいが完成しないのには、明確な理由があります。
それは、「部屋の数や畳数(広さ)」という枠組みから家づくりをスタートしてしまっているからです。
本当に暮らしやすい住まいをつくる建築家は、最初のヒアリングで「何部屋ほしいですか?」とは聞きません。
今回は、間取り迷子から抜け出し、何十年先も愛着が続く家を叶える「建築家の思考プロセス」をお届けします。
01 | 「要望のパズル」が引き起こす、間取り迷子の悲劇
家づくりを始めると、SNSにあふれる「取り入れてよかった設備」や「人気の間取りアイデア」が魅力的に見えてきます。
「ランドリールームが欲しい」 「パントリーも広くしたい」 「ワークスペースも独立させたい」

そうして思いつく限りの要望をノートに詰め込み、設計士や営業担当に「これ全部入れてください」と手渡す。
その結果できあがるのは、それぞれの部屋が細切れに壁で仕切られ、廊下ばかりが長く、やたらと坪数だけが膨らんだ間取りです。
パーツ(要望)を足し算していく「パズルの家づくり」は、床面積と建築コストを際限なく跳ね上げます。
しかも完成してみると、「それぞれのスペースが狭くて落ち着かない」「家族の気配が感じられない」といった後悔につながってしまうのです。
大切なのは、要望を足すことではなく、「その要望の根底にある本当の願い」を見つめ直すことです。
02 | 建築家が最初に問いかけるのは「部屋数」ではなく「生き方」
R+houseのアトリエ建築家との打ち合わせは、一般的な住宅会社とは全く異なる質問からスタートします。
「休日の朝は、何時ごろに起きてどんなふうに過ごしますか?」 「帰宅したとき、最初にとる行動は?」
「家族みんなで過ごす時間と、ひとりで集中したい時間はどんなバランスですか?」
建築家が知りたいのは、部屋の広さや数ではなく、ご家族それぞれの生活のリズムや、心地よいと感じる瞬間の風景です。

例えば「子ども部屋は6畳ほしい」という要望の奥には、「子どもに集中して勉強してほしい」「将来独立するまで自分の居場所をつくってあげたい」という想いがあります。
しかし、よく考えてみてください。子どもが個室を使う期間は、長い人生の中のわずか10年ほど。
もしリビングの一角に心地よいスタディコーナーがあり、寝るときだけ使えるコンパクトな空間があれば、個室に6畳もの広さは必要ないかもしれません。
形式的な「部屋の形」を取り払い、毎日の過ごし方そのものから間取りを紐解いていく。これが建築家のアプローチです。
03 | 部屋を「壁」で区切らない。可変性と居心地をつくる設計力
一般的な間取りは、「LDK」「寝室」「子ども部屋」と、空間を壁やドアで細かく区切ります。
しかし優れた建築家は、壁で空間を分断するのではなく、「段差(スキップフロア)」「天井の高さ」「光の濃淡」「視線の抜け」を使って、
一つの大きな空間の中に多様な居場所をデザインします。

同じフロアにいながら、ある場所はおこもり感のある落ち着いた読書スペースになり、中央は自然と人が集まる明るいリビングになる。
壁が少ないため無駄な廊下やデッドスペースが生まれず、延床面積はコンパクトなままで驚くほどの開放感が生まれます。
さらに、子どもが巣立った後や年齢を重ねた後も、間仕切り家具などで柔軟に使い方を変えられる「可変性」が備わるため、何十年経っても持て余す部屋が生まれません。
空間を固定化しないからこそ、住まいは家族の変化に合わせて寄り添い続けてくれます。
04 | 言葉にならなかった理想が、目の前でスケッチになる瞬間
「自分たちが何を望んでいるのか、うまく言葉で説明できる自信がない……」
そう不安に思う方も多いですが、心配はいりません。 断片的な日常の話や何気ない好みを丁寧に聞き取り、
施主自身も気づいていなかった「本当に求めていた暮らし」を一枚の図面として目の前に描き出すことこそ、プロの建築家の本領です。

「そうそう、私たちが暮らしたかったのは、まさにこういう空気感だった!」
ファーストプランの提案を受けた施主様が思わず声を上げるのは、要望リストを機械的に並べた図面ではなく、
自分たちの未来の暮らしが生き生きと描かれたスケッチに出会えるからです。
既製品の間取りカタログから「選ぶ」のではなく、対話を通じて「ゼロから紡ぎ出す」。 このプロセスそのものが、家づくりの一生忘れられない特別な体験になります。
05 | まとめ:間取りを買うのではなく、「自分たちの未来」をデザインする
家づくりは、間取りという「枠」に自分たちの生活を無理やり押し込める作業ではありません。
家族がどんな時間を過ごし、どんな記憶を重ねていきたいのかという「未来の物語」を形にしていくことです。
SNSやカタログの情報の波に溺れて迷子になってしまったら、一度スマートフォンの画面を置いてみてください。
「どんな朝を迎えられたら、一日をご機嫌にスタートできるだろう?」 「夕食の後、家族とどんな距離感で過ごしたいだろう?」

その何気ない日常のスケッチを携えて、建築家とじっくり語り合ってみませんか?
姫路で自分たちだけの理想の暮らしを形にする第一歩を、ぜひここから踏み出してみてください。













