建築業界にはさまざまな建築用語がある。住宅性能・構造編では、気になる住宅用語を解説していく。
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瑕疵は「欠陥」のこと。新築住宅を供給する事業者には引渡しから10年間、この瑕疵(住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸水を防止する部分)を保証する責任が義務付けられており、その資力を確保するために加入が義務付けられているのが「瑕疵担保責任保険」。国土交通省から指定を受けた保険法人が提供する保険に加入すると、保険法人の検査員が施工中や完了時などに現場検査を実施。瑕疵が判明した場合には補修費用が支払われる。施工会社が倒産した場合には消費者が保険法人に補修費用を直接請求することもできる。
建築確認を受けた建物が工事完了後、建築基準法などの法令に適しているか検査すること。完了検査で合格すれば、「検査済証」が交付され、建物の使用が可能になる。
建物を支える土台のこと。主に日本の住宅に用いられるのは「布基礎」と「ベタ基礎」。布基礎は建物の外周部分と間仕切り部分などにT字型の鉄器コンクリートで基礎を造るのに対し、ベタ基礎は底板一面が鉄筋コンクリートになっており、建物の荷重を面で支える構造。構造の安定性やシロアリ防止、床下の湿気対策の面から今はベタ基礎が主流となっている。
外気温に左右されず一年を通して快適な室温に保つために欠かせない「気密性能」。建物に隙間がどのくらいあるかを測定するのが「気密測定」だ。気密測定器を使い、有資格者が測定を行う。隙間の量はC値(相当隙間面積)という数値で表され、値が低いほど気密性能が高いことを表す。C値には施工が大きく関わるため、一棟ごとに気密測定することでしか算出できない。
住宅を建築する際、その建築計画が建築基準法や都市計画法などの法令に適合しているかを確認するため、工事の着工前に役所や指定確認検査機関に設計図などの書類を提出して審査を受けること。申請は工事を行う建築会社や設計事務所が行う。住宅を新築する際や大規模な修繕をする際には原則、この建築確認申請が必要となる。
建物の耐震性能を表す指標で、品確法に基づく住宅性能表示制度の評価項目のひとつ。地震対策としては大きく分けて「耐震」「制振」「免震」の3つがある。
建物の内と外の熱の出入りを抑えるために建物の内部に入れ込む建築材料。無機質繊維系のグラスウールやロックウール、木質繊維系のセルロースファイバー、プラスチック系の硬質ウレタンフォームなどさまざまな種類がある。断熱材の主な施工方法には、構造材の間に充填する充填断熱と、外壁仕上げ材の内側に入れて建物全体を外から包む外張断熱がある。使用する断熱材や工法は各社によってさまざま。
一定の条件を満たした寿命の長い「資産阿智の高い家」のこと。耐震性、省エネルギー性、災害配慮、劣化対策、維持管理・更新の容易性、維持保持計画、住戸面積、居住環境の8つの基準を満たす必要がある。認定を受けると、住宅ローン控除の限度額の引き上げ、フラット35(住宅ローン)の金利引き下げ、登録免許税や不動産取得税、固定資産時の税率引き下げや減税措置の適用期間の延長など、さまざまな優遇がある。
換気設備を用いて24時間換気を行うシステムのこと。現在、建築基準法で24時間換気システムを瀨地することが義務付けられている。第一種換気、第二種換気、第三種換気があるが、住宅で主に使われるのは第一種換気と第三種換気だ。
排気も給気も機械により強制的に行う換気方法。空気の流れを操作しやすく、安定して換気できる。
排気は機械により強制的に行い、給気は給気口などから自然に行う換気方法。低コストで計画的に換気が可能。気密性能が低いと換気が十分に行えない。
太陽光や風など自然の力を最大限に活用できるよう建物を設計する手法。ベースとなるのは「断熱」。その上で「日射遮蔽」「通風」「昼光利用」「日射熱利用暖房」の計5つの要素がある。日射や通風の特性を踏まえて部屋の配置や窓の配置・性能、軒・庇の長さや角度を設計することで、少ないエネルギーで快適に暮らせる建物になる。
「HEAT20」は地球温暖化のエネルギー問題解決のため2009年に発足した「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の呼称。「G1]「G2]「G3]はHEAT20が推奨する断熱性能水準。全国を7つの地域に区分し、それぞれのUA値を設定している。例えば、6地域のUA値は、2025年4月に適合義務化となった省エネ基準では、0.87だが、G1では0.56、G2では0.46、G3では0.26(数字が小さいほど断熱性能が高い)。2022年にはこのG2、G3を参考に、住宅性能表示制度において断熱等性能等級6、7が新設・施行された。
水回りの設備機器や窓・ドアなどの建具、屋根材や床材、クロスなどの仕上げ材、断熱材など、どの住宅でも必要となるものについてあらかじめ決められている基本仕様のこと。会社によって、また住宅商品によって標準仕様は異なり、グレードも様々。坪単価や本体価格は通常、この標準仕様をもとに計算されている。
断熱性能の指標(外皮平均熱還流率)のこと。壁や天井、開口部など家の外側(外皮)全体を平均した熱の伝わりやすさ(逃げやすさ)を示しており、数値が小さいほど熱が伝わりにくい、つまり高断熱と言える。全国7つの地域区分ごとに基準値が定められている。
住宅会社を訪問した際に出てくる建築用語はたくさんあり、混乱する方もいるかもしれないですが、要点を絞って知っておくといいでしょう。次回は、間取り・建材編をお伝えします。
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